1.地球温暖化を防止
森林を構成する個々の樹木等は、光合成によって大気中の二酸化炭素の吸収・固定を行っています。森林から生産される木材をエネルギーとして燃やすと二酸化炭素を発生しますが、この二酸化炭素は、樹木の伐採後に森林が更新されれば、その成長の過程で再び樹木に吸収されることになります。
このように、木材のエネルギー利用は、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないというカーボンニュートラルな特性を有しています。このため、化石燃料の代わりに木材を利用することにより、二酸化炭素の排出の抑制が可能となり、地球温暖化防止に貢献します。
2.廃棄物の発生を抑制
木質バイオマスのうち、製材工場の残材や住宅解体材などは、利用されなければ廃棄物となります。しかし、これらがバイオマスエネルギーとして有効に活用されれば、廃棄物を減らし、循環型社会の形成に役立つことになります。
3.エネルギー資源としての積極的な利用
我が国では、エネルギー需要の多くを輸入された化石燃料に頼っています。エネルギー源の多様化、リスクの分散という意味からもバイオマスエネルギーの利用を広げていく必要があります。日本全体のエネルギーの需要は膨大であり、これを木質バイオマスだけで賄うことはできませんが、貴重な国産のエネルギー源として、利用が期待されます。
4.森林の適切な整備への寄与
森林は、国土の保全や水源のかん養などの様々な機能を持っています。森林がこれらの機能を十分に発揮するには、間伐や伐期を迎えた樹木を伐採するなどの適切な森林の整備が不可欠です。これらの森林整備などにより、年間約2,000万m3(推計値)発生している未利用間伐材等が燃料等として価値を持つことが出来れば、林業経営にも寄与し、森林整備の推進にも繋がることが期待されます。
5.山村地域の活性化
木質バイオマス、特に森林由来の間伐材など地域の未利用資源をエネルギーとして利用することで、資源の収集や運搬、バイオマスエネルギー供給施設や利用施設の管理・運営など、新しい産業と雇用が創られ、山村地域の活性化にも貢献します。
①伐採
燃料となる木材を伐採します。木材は主に未利用の間伐材などが使われます。そのままでは放置されてしまう間伐材を有効活用することができます。
②乾燥
切り出されたばかりの木材は水分量が多い為、燃料に適した状態になるまで、自然乾燥を行います。
③加工
乾燥した木材は、木材加工場へ運ばれ、破砕機で細かく粉砕され、木質チップとなります。
④利用
生産された木質チップは、工場から出荷されて、発電所や熱利用施設へ運ばれ、燃料として利用されます。
美郷館では、木材チップを燃料とするボイラーを使用して、源泉の加温、および館内の給湯を行っております。④の写真は美郷館の熱利用施設になります。
バイオマスボイラー製造 : オーストリア KWB社(http://www.kwb.at/de.html)
バイオマスボイラー輸入販売・施工 : 株式会社WBエナジー(http://wbenergy.co.jp/)